ポーカーには様々な種類があり、細かなルールの違いなどを含むとなんと100種を超えるとも言われています。ポーカーは、大きく分けて、ドロー・ポーカー(またはクローズド・ポーカー)、スタッド・ポーカー、フロップ・ポーカーの3つのカテゴリーに分類されます。
大きな違いはプレイヤーへのカードの配り方にあります。基本となるルールは一緒です。基本のルールを覚えてしまえば、追加のルールを覚えるだけで、様々なポーカーをプレイすることが可能です。
このサイトでは、初めての方でも分かりやすいように特に共通ルールを説明していきます。
使用する物
ポーカーで使用する物は、通常の52枚のカード (+ジョーカー) で構成されたトランプです。参加者全員でチップをかけて戦うと面白くなりますので、チップもあるといいですね。家庭や仲間うちで、チップの代わりに例えばキャンディなんかを利用するというのもありですね。公式ルールのポーカーでは、チップを使用します。
公式戦では、基本的にジョーカーを使用しません。ポーカーによってはジョーカーを使用するものもありますが、稀です。仲間うちで楽しむゲームあれば、オールマイティーのカードとして、ジョーカーを使用するケースも多いようです。
ポーカーは、5枚の手札の役(組み合わせ)で競い合うゲームです。自分の手札で強い組み合わせを作って、より多くのチップを集めた人が勝ちになります。
プレイヤー数
基本的に2人から約10人までです。おすすめの人数は3人から6人くらいです。
ポーカーの基本用語
ポーカーには、カタカナの用語がたくさん登場します。他にもたくさんありますが、ここでは、初心者がまず知っておきたい基本用語を紹介します。用語のほとんどはもともと英語でしたので、以下、アルファベット順に並べてみました。
オールイン (All-in)
ゲームに参加しているプレイヤーが手持ちのチップを全て賭ける(ベット)こと。
オールインをしたプレイヤーが他のプレイヤーよりも少ない額で勝負し、そのオールインをしたプレイヤーが勝った場合は、オールインでベットした額に対する配当のみの獲得となります。ちなみに複数のプレイヤーがオールインをした場合は、サイドポットでオールインのチップを管理します。
アンティ (Ante)
ゲームに参加するための手数料。基本的にトーナメントで発生します。支払われたアンティはポットに集められ、それ以降の掛け金と合わせて勝者が獲得することになります。場所によっては、アンティをコミッションとして徴収される場合もあります。
ベット (Bet)
賭けること。即ち、ポットにチップを置くこと。
ベッティング・ラウンド (Betting Round)
ゲーム中、プレイヤーが、フォールド、ベット、チェック、レイズのいずれかをするとき。
ブラインド (Blind)
ゲーム開始時に一度だけ行われる強制ベット。ボタンの左側のプレイヤーをスモールブラインド(SB)、更にその左側のプレイヤーをビッグブラインド(BB)と呼び、その2人のプレイヤ―は、テーブル毎に決められている額のチップをベットしなければなりません。
ブラフ (Bluff)
手札が弱いにも関わらず、レイズなど強気にベットし続けること。相手にフォールドさせるために使用することがほとんどです。
ボタン (Button)
プレイヤーの一人に割り当てられ、プレイする順番が最後になるので最も有利なポジション。目印としてそのプレイヤーの席に「Dealer」と書かれたボタン状の用具が置かれます。ディーラーと書かれていますが、カジノ従業員のディーラーとは異なりますので、混同しないようにしましょう。
最初に、カジノディーラーがカードを見せた状態で一枚ずつ各プレイヤーに配り、一番強いカードを持っているプレイヤーの前にボタンを置きます。数字が同じ場合は、スートで決まります。強さの順番は、♠ > ♥ > ♦ > ♣ となります。
コール (Call)
前の人と同じ枚数のチップを出すこと。
チェック (Check)
何も賭けず(ベットせず)、自分のターン(順番)を次のプレイヤーにパスすること。自分と相手プレイヤーのベット額が同じであり、自分のターンが回ってきた時のみ使えます。
チップ (Chip)
コインの形状をした用具。ギャンブルとしてプレイする場合は、現金をチップに交換します。勝って獲得したチップが収入になります。
仲間うちでのゲームの場合は、チップの種類とその価値はプレイヤーの間で任意に決めれば良く特にルールはありません。複数の価値のチップを用意すると便利です。海外カジノにおいては、多くの場合、白=1、赤=5、緑色=25、黒色=100という単位になります。
コミュニティカード (Community Card)
テーブル上に公開される全プレイヤーが共通して使用するカードこと。フロップ・ポーカーにおいて使用されます。
ディーラー (Dealer)
カジノの従業員であるカジノディーラーのこと。ゲームの進行役で、ほとんどのゲームでは勝負に介入しません。専属のディーラーが各テーブルに一人ずついて、このディーラーがゲームのカードを配ります。トーナメントや大規模なプライベートゲームでは、「アミューズメントディーラー」がゲーム進行役などを行います。
仲間うちでのゲームは、プレイヤーの一人がディーラーを兼ねるケースが多いと思います。この場合、どのプレイヤーがディーラーになるのかに関して決まったルールはありません。
デック (Deck)
ゲームで使用するカード(トランプ)のセットのこと。カード52枚で1デック。ジョーカーがあれば53枚です。
ドロー (Draw)
ドロー・ポーカーにおいて、任意の枚数の手札を新しいカードと交換すること。
フォールド (Fold)
チップを捨ててゲームを降りること。
ハンド (Hand)
幅広く、手札のこと。5枚のカードの役も意味します。自分のカードとコミュニティカードから選んだ5枚のカードも意味します。
ホールカード (Hole Card)
当のプレイヤーだけが見ることができるカード。例えば、テキサスホールデムのプレイヤーに配られる2枚のカードです。
キッカー (Kicker)
ハンドの中で役を作るのに関係のないカードのこと。同じ役の相手がいた時は、キッカーの数字の強さで勝ち負けが決まります。
マック (Muck)
使用済みのカードが置かれている場所。また、「マックする」とは、カードをオープンせずに降りることです。
ピクチャーカード (Picture Cards)
J、Q、Kのカードのこと。フェイスカード(Face Card)とも言います。
ポット (Pot)
テーブルの中央付近にあるチップが置いてある場所。メインポット(Main Pot)と呼ばれる場合もあります。
プレイヤー達は、ポットの中で自分に近い場所に、他のプレイヤーが賭けたチップと区別がつくように、賭けたチップを置きます。ゲームの最後に勝者が受け取る時を除いて、一度賭けたチップを再び手もとに戻す事はできません。
レイズ (Raise)
前の人よりも多い枚数のチップを出すこと。
リレイズ (Re-raise)
そのラウンドで2回目以降のレイズのこと。リレイズの場合、直前のプレイヤーのベット額に前回のレイズで上乗せした金額以上をベットします。
ショーダウン (Showdown)
ゲームの最後に手持ちのハンドを見せることです。
サイドポット (Side Pot)
オールインしたプレイヤー以外のプレイヤーがベットしたときにできるポット。例えば、オールインをしたプレイヤーのチップが他のプレイヤーがベットしたチップよりも少ない場合があります。そして、もしそのオールインをしたプレイヤーが勝った場合、他のプレイヤーに払い戻す必要がある時などに利用されます。
スーツ / スート (Suits / Suit)
トランプのマーク、♠ ♥ ♦ ♣ のこと。
共通ルール | 各カードの強さ | 役(組み合わせ)の強さ
カードの数位は「A」(エース)が最も強く、以下「K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2」の順となります。公式ルールのポーカーは、基本的にジョーカーを使用しません。
もしジョーカーを使用した場合、例えばワンペアがあった場合、それにジョーカーを加えてスリーカードになるというイメージです。もしジョーカーを含まない状態でフォーカードができ、残りの1枚がジョーカーの場合は、ファイブカードが完成します。ファイブカードは、ロイヤルストレートフラッシュよりも最強の役というルールが多いようです。しかし、ルールによっては、ロイヤルストレートフラッシュよりも弱い場合もありますので、注意が必要です。ジョーカーは、非常に重要で特殊なカードと言えます。
冒頭でも述べた通り、ポーカーは役(カードの組み合わせ)で勝敗が決まります。もし役が同じ強さの場合は、それぞれの役のカードの強さ(例えば、Aが一番強い、8は7より強い、2が一番弱いなど)で、勝敗が決まります。
ポーカーの役の強さを解説していきます。役は全部で10種存在し、強さは、弱い順から下記になります。
- ハイカード (High card)
- ワンペア (Pair)
- ツーペア (Two pairs)
- スリーカード (Three of a kind)
- ストレート (Straight)
- フラッシュ (Flush)
- フルハウス (Full house)
- フォーカード (Four of a kind)
- ストレートフラッシュ (Straight flush)
- ロイヤルストレートフラッシュ (Royal flush)
それぞれの役の詳細は以下になります。
ハイカード (High card)
ペアもなくバラバラな数字やスーツの状態は、「ハイカード(ノーハンド)」という役になります。通称「ブタ」とも言われています。ハイカード同士の場合、より大きい数字(強い順からA、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2)のハイカードを持った方が勝利です。ハイカードの発生確率は、50%です。
例:以下のように、数字もスーツもバラバラです。
ワンペア (Pair)
ワンペアは、同じ数字の2枚組1つのペアとそれぞれ異なる数字の3枚のカードで構成される役です。数字が大きくなるほど強くなります。Aのペアが最強で、2のペアが最弱になります。例えば、「5・5・A・J・9」と「5・5・Q・8・5」だと、どちらも5のワンペアです。役以外のカードは、前者が「A・J・9」、後者が「Q・8・5」。「A・J・9」の一番高いカードはA、「Q・8・5」の一番高いカードはQになります。カードのランクはA > Qなので、「5・5・A・J・9」の方が勝ちです。ワンペアの発生確率は、42.25%です。
例:以下は、「8」のワンペア、そして残りの3枚は数字とスートがバラバラです。
ツーペア (Two pairs)
ツーペアは、同じ数字の2枚組を2組とそれ以外の1枚で構成される役です。ツーペア同士の勝敗は 「高ランクのペア」 → 「低ランクのペア」 → 「余った一枚」 の順で勝利が決まります。ツーペアの発生確率は、4.75%です。
例:以下の場合は、「Q」と「7」のツーペアになります。それ以外の1枚は「3」です。
スリーカード (Three of a kind)
スリーカードは、同じ数字のカードが3枚揃った手役です。スリー・オブ・ア・カインド(Three of a kind)と呼び、海外では「スリーカード」と言っても通じません。スリーカードの発生確率は、2.1%です。
例:以下は、「Q」のスリーカードとバラバラの数字とスーツの2枚です。
ストレート (Straight)
連続した数字5枚のカードで作る手役です。数字が大きくなればなるほど強い役になります。スーツが揃っている必要はありません。ストレートで「A」(エース)を使う場合は、「2」もしくは 「K」(キング)のどちらかと一緒の場合のみに使えます。要するに、エースを「2」と一緒に使う場合は、「1」になります。例えば、「Q・J・10・9・8」と「5・4・3・2・A」の場合、「A」は「1」になりますので、「Q・J・10・9・8」の方が強い役になります。ストレートの発生確率は、0.39%です。
例:以下は、「5・6・7・8・9」と続いたストレートです。スーツはバラバラです。
フラッシュ (Flush)
同じスーツのカード5枚で作る手役です。4種類のスーツのランク付けはなく、カードの数字は問いません。より大きい数字の入ったフラッシュを揃えた方が勝利です。例えば、ハートの「J・3・Q・8・4」とダイヤの「5・3・Q・8・K」の場合、「J・3・Q・8・4」と「5・3・Q・8・K」では、Kが一番強いので、ダイヤの「5・3・Q・8・K」を持つプレイヤーの勝利となります。フラッシュの発生確率は、0.2%です。
例:以下は、ハートが5枚のフラッシュです。番号はバラバラです。
フルハウス (Full house)
スリーカード(同じ数字カード3枚)とワンペア(同じ数字カード2枚)の組み合わせで作る役です。3枚組の数字が大きいほど強くなります。フルハウスの発生確率は、0.14%です。
例:以下は、「Q」のスリーカードと「7」のワンペアのフルハウスです。
フォーカード (Four of a kind)
4枚の同じ数字のカードが揃った役です。英語ではフォー・オブ・ア・カインド(Four of a kind)と呼び、海外ではスリーカードと同様に「フォーカード」と言っても通じません。フォーカードの発生確率は、0.024%です。
例:以下は、「Q」のフォーカードで、残りの一枚は「7」です。
ストレートフラッシュ (Straight flush)
ストレートとフラッシュが同時に完成した役です。ストレートフラッシュ同士では、数字が大きくなるほど強い役になります。ストレートフラッシュの発生確率は、0.00139%です。
例:以下は、「3・4・5・6・7」のストレートでスートは全てスペードです。
ロイヤルストレートフラッシュ (Royal Flush)
ポーカーで最も強い役がロイヤルストレートフラッシュです。「A・K・Q・J・10」のストレートとスーツが揃った役になります。この場合のエースは、「14」となります。海外では、ロイヤルストレートフラッシュの「ストレート」を除き、ロイヤル・フラッシュ (Royal flush) と呼ぶ場合がほとんどです。ロイヤルストレートフラッシュの発生確率は、0.00015%です。一度でも揃ったらスゴイですね。
例:以下は、「A・K・Q・J・10」のストレートでスートは全てスペードです。
勝ち方のまとめ
以上のように、一番低い発生確率のカードの組み合わせを持ったプレイヤーが勝利します。
ちなみに、ポーカーの勝ち方は2つあります。相手よりも強い役を作るか、あるいは、相手を先にゲームから降ろさせるかです。前者はカードの引きの強さによりますが、後者は引きの強さ弱さは関係ありません。仮に弱い役しか作れていなくても、相手に「強い役を持っているかも」と思わせるようなブラフの技術が重要になります。
ポーカーの3つのカテゴリー
次にドロー・ポーカー(またはクローズド・ポーカー)、スタッド・ポーカー、フロップ・ポーカーの違いを簡単に説明していきましょう。
ドロー・ポーカー または、クローズド・ポーカー (Draw Poker / Closed Poker)
ドロー・ポーカーでは、ディーラーが各プレイヤーにカードを伏せた状態で一枚ずつ時計回りに配ります。プレイヤーは一度だけカードを交換することができます。ドロー・ポーカーのカードは、いつも伏せられた状態で配られるので、クローズド・ポーカーとも呼ばれています。ドロー・ポーカーの主流は、ファイブカードドローです。
- ファイブカードドロー (Five Card Draw)
ファイブカードドローは一番古いポーカーです。日本では、おそらくファイブカードドローが最もポピュラーだと思います。現在、世界的にはマイナーなゲームです。ファイブカードドローは、シンプルなポーカーなので初心者にとっては遊びやすいゲームと言えます。
ファイブカードドローは、各プレイヤーに5枚ずつカードが配られ、一度だけ任意の枚数のカードを交換することが出来ます。使用するカードはジョーカーを除いた52枚か、ジョーカーを加えた53枚のどちらかとなります。ジョーカーは他のカードの代用になる万能カードとして使用できます。ジョーカーを使用するポーカーを一般的にワイルドポーカーと称します。
それでは、ファイブカードドローの全体の流れを見ていきましょう。
- 席に座る
- アンティ(参加費を払う)
- ディーラーボタンを置く(ゲームのオプションです。)
- ブラインドゲーム(強制ベット)(これもゲームのオプションです。)
- カードを配る
- 第1回ベッティング・ラウンド
- ドロー(カードの交換)
- 第2回ベッティング・ラウンド
- ショーダウン
ほとんどのポーカーゲームはブラインドでプレイされますが、ファイブカードドローではアンティでプレイされることがほとんどです。アンティとは、全てのプレイヤーがカードを受け取る前に置かなければならない少額のベット(ブラインドより小さい額)であることを覚えておいてください。ファイブカードドローでは、全てのプレイヤーがアンティを支払った後に、5枚のプライベートカードを次々と受け取ることができます。
アンティを支払った後に、ブラインドゲーム(強制ベット)も入れてプレイする場合、最初にディーラーボタンを決める必要があります。「ポーカーの基本用語」でも説明しましたが、このボタンは、最初にカジノディーラーがカードを見せた状態で一枚ずつ各プレイヤーに配り、一番強いカードを持っているプレイヤーの前に置きます。数字が同じ場合は、スートで決まります。強さの順番は、♠ > ♥ > ♦ > ♣ となります。
ブラインドは、他のポーカー・ゲームと同じルールですので、ここにまとめて説明します。カジノでは、テーブル毎にレートが決まっていて、「50-100-200」や「100-200-400」などの表記があります。左側の数字がアンティと呼ばれるゲームへの参加費です。ボタンの左隣がスモールブラインド(SB)になり、その席に座っているプレイヤーはSB額として、中央の数字のチップをポットに置きます。そのSBの更に左隣がビックブラインド(BB)になり、その席に座っているプレイヤーはBB額として、右側の数字のチップをポットに置きます。例えば、テーブルのレートが「50-100-200」の場合、50が参加費、100がSB額、200がBB額となります。BB額は、SB額の2倍です。
また、他のポーカー・ゲームとの共通点としては、ブラインドの後のアクションとして、ボタンの席のプレイヤーが最後にプレーすることです。よって、ボタンの席にカードを配るのが一番最後となるように、ボタンの席の左隣(SBのプレイヤー)からカードを時計回りに配り始めます。
1回目のベッティング・ラウンドでは、SBとBBはブラインドで既にベットを完了しているので、このラウンドではBBの左に座っているアンダー・ザ・ガン(UTG)と呼ばれるプレイヤーから時計回りでベットを行います。ここで選択できるのは、コール、レイズ、フォールドのいずれかです。既にブラインドでベットされたチップがテーブルにあるのでチェックを選択することはできません。ベッティング・ラウンドは、フォールドしたプレイヤーを除いて全てのプレイヤーが同額をベットした時点で終了します。
ファイブカードドローの特徴は、その後、ドローが行われます。各プレイヤーは自分の手札の中から不要なカードを捨てて新しいカードと交換することができます。交換は1回のみですが、何枚交換しても構いません。ドローもUTGを起点に時計回りで一周します。
2回目のベッティングラウンドでは、SBを起点として各プレイヤーがベットしていきます。最初にアクションを起こすSBはチェック(パス)のアクションを選択することも可能です。それ以降のプレイヤーも、一度もベットがされずチェックが続いている間はチェックを選択することができます。誰かがベットをしたら、それ以降はチェックは選択不可となり、選択できるのはコール、レイズ、フォールドのいずれかとなります。1回目のベッティング・ラウンドと同じように、フォールドしたプレイヤーを除いて全てのプレイヤーが同額をベットした時点で終了します。
最後のベットで最も大きな賭けをしたプレイヤーが最初に手札を見せるのが慣例です。他のプレイヤーは、負けた手札を他のプレイヤーに見せずに捨てるか、より強い手札を見せるかを決めることができます。
また、プレイヤーがフォールド(ゲームから降りる)していき、最後に1人だけ残った場合、その残ったプレイヤーの勝利となり、ゲームは終了します。
ファイブカードドローにはコミュニティカードが存在せず、相手のカードも全く見えません。よって、ファイブカードドローは、駆け引きがしにくいゲームです。このゲームは、チャンスや運が大きく影響するゲームと言えます。
スタッド・ポーカー (Stud Poker)
スタッド・ポーカーは、一言で言うならば、ディーラーが、各プレイヤーに一部のカードが開かれた状態で時計回りに配りプレーするゲームです。ファイブカードドローのようにカードの交換はありません。
スタッド・ポーカーの主流としては、セブンカードスタッド、ファイブカードスタッド、カリビアンスタッドなどがあります。
- セブンカードスタッドポーカー (Seven Card Stud Poker)
セブンカードスタッドポーカーは、テキサス・ホールデムが広まる1970年代までは世界中で最もよく行われるポーカーの一つでした。現在でもアメリカ合衆国において、仲間うちでのゲームやアメリカ東部のカジノではよくプレーされています。
プレイヤーは7枚のカードから5枚を選んで、役(組み合わせ)を作ります。カードの交換はありません。
全体の流れは下記の通りです。
- 席に座る
- アンティ(参加費を払う)
- ブラインド(強制ベット)
- カードを伏せた状態で2枚配る。
- 第1回ベッティング・ラウンド(3rdストリート)
カードを見せた状態で1枚ずつ配られる。ここで、最も低いカードを表示しているプレイヤーがこのラウンドの起点となる。
- 第2回ベッティング・ラウンド(4thストリート)
カードを見せた状態で1枚ずつ配られる。3rdストリートと4thストリートのカードの組み合わせで、最も強いカードを表示しているプレイヤーがこのラウンドの起点となる。
- 第3回ベッティング・ラウンド(5thストリート)
カードを見せた状態で1枚ずつ配られる。4thストリートと同様に、公開されているカードの組み合わせが最も強いプレイヤーが起点となり時計回りでアクションが開始。このラウンド以降、ベットできる最少額がビッグベットの額となります。例えば、「50-100-200」のテーブルの場合、最小ベット額が200となる。
- 第4回ベッティング・ラウンド(6thストリート)
カードを見せた状態で1枚ずつ配られる。これまでと同様に、公開されているカードの組み合わせがもっとも強いプレイヤーが起点となり時計回りでアクションが開始。
- 第5回ベッティング・ラウンド(7thストリート)
カードを伏せた状態で1枚ずつ配られる。アクションの起点は6thストリートと同様。
- ショーダウン
セブンカードスタッドポーカーも他のポーカーと同じように、全てのプレイヤーがカードを受け取る前にアンティのチップを置きます。そして、ディーラーが一枚ずつ参加者にカードを配り、一番強いカードを持った人の前にボタンを置きます。その左側がスモールブラインド(SB)、そしてそのまた左側がビッグブラインド(BB)になります。
他のポーカーと同じように、テーブル毎にレートが決まっていて、例えば、「50-100-200」の場合、50がアンティでゲームへの参加費、100がSB額、200がBB額になります。
セブンカードスタッドポーカーは、各プレイヤーが4枚ずつカードを公開することになるので、駆け引きが重要になります。他プレイヤーの公開されているカードをしっかり把握して、相手の手の内を推測しましょう。
- ファイブカードスタッドポーカー (Five Card Stud Poker)
その名の通り、各プレイヤーに配られるカードは計5枚です。最初のラウンドでは、伏せたカードと見せたカードの2枚が配られ、ラウンドが進むごとに見せたカードが1枚追加されていきます。セブンスタッドでは最後に配られるカード(7thストリート)は伏せられますが、ファイブスタッドでは最後に配られる5枚目のカードも見せた状態で配られます。それ以外はセブンスタッドと同じルールとなります。
- カリビアンスタッドポーカー (Caribbean Stud Poker)
カリブ海諸島域のカジノなどで遊ばれていたポーカーで、1980年代に米国に持ち込まれました。カリビアンスタッドは、ディーラー(胴元)とプレイヤー間での対戦するゲームです。ディーラーとプレイヤーに5枚ずつカードが配られた後、ディーラーは5枚目のカードをオープンにしてプレイヤーに見せます。プレイヤーはその状態でディーラーに勝てるかどうかを判断し勝負します。
フロップ・ポーカー (Flop Poker)
フロップ・ポーカーでは、各プレイヤーにカードが伏せた状態で配られます。また、全プレイヤーが共通で使用するコミュニティカードがテーブル上に公開されます。スタッド・ポーカーと同じでカードの交換はありません。世界的に最も普及しているルールです。
フロップ・ポーカーで主流のゲームは、テキサスホールデムとオマハポーカーです。
- テキサスホールデム (Texas Hold’em)
テキサスホールデムは、世界のカジノでプレーされているポーカーです。現在、世界では一番人気のあるポーカーです。プロのプレイヤーも存在し、億単位の賞金が出る大会も開催されています。テキサスホールデムは、1900年代初めにテキサスでプレーされたという記録が残っています。その後1967年にラスベガスに伝わり、そこから更にヨーロッパへ普及、1970年にはワールドシリーズ・オブ・ポーカーという世界大会が開催されるまでになりました。以降、この大会は毎年開催され、現在では優勝賞金が10億円を超えることもある強大な大会に成長しています。
テキサスホールデムでは、手元にあるカードを変更することはありません。3回に分けて公開されるコミュニティカードを見て、勝負をするか降りるかを決めます。
では、全体の進行の流れを見ていきましょう。
- 席に座る
- ディーラーボタンを置く
- ブラインド(強制ベット)
- カードを配る
- プリフロップ・ラウンド
- フロップ・ラウンド
- ターン・ラウンド
- リバー・ラウンド
- ショーダウン
テキサスホールデムでは、上記5〜8の聴き慣れない言葉がいくつか出てきます。まず、3のブラインド(強制ベット)までは、ドロー・ポーカーとスタッド・ポーカーと同じルールです。テキサスホールデムがドロー・ポーカーやスタッド・ポーカーと違う点は、ディーラーがプレイヤーに伏せた状態でカードを2枚のみ配ることです。スモールブラインド(SB)のプレイヤーから時計回りに1枚ずつ配られていき二周し、一人当たり2枚ずつ配られます。この2枚をホールカードと言います。
次に、プリフロップ・ラウンドが始まります。まずは、配られたホールカードの2枚のみで「ベットをする」か「フォールド(勝負を降りる)」かを判断することになります。プリフロップは、フォールドしたプレイヤーを除いて全てのプレイヤーが同額をベットした時点で終了します。誰かがレイズを選択した場合、全てのプレイヤーが同額をベットした状態ではなくなるので、もう一周することになります。プリフロップが終了したら、チップを一か所に集めます。
フロップ・ラウンドでは、テーブルの中央にコミュニティカードが3枚置かれます。この3枚のコミュニティカードをフロップと呼びます。この3枚と手元のホールカード2枚の合計5枚のカードから役を組み合わせることができます。この時点で、ベットをするか勝負を降りるかを再び判断します。フロップ・ラウンドでは、SBを起点としてベットの判断を行います。SBはチェックを選択することができます。全員がチェックをして一周した場合、その時点でフロップ・ラウンドは終了します。しかし一人でもベットをすれば、その時点で場にチップが置かれるので、それ以降のプレイヤーはチェックをすることができなくなります。
そして、ターン・ラウンドでは、コミュニティカードが1枚追加されます。そのカードをターンと呼びます。後は、フロップ・ラウンドと同じ手順を繰り返します。終了後、ベットされたチップはポットへと集められます。
最後のラウンドのリバー・ラウンドでは、コミュニティカードが更に1枚追加されます。そのカードをリバーと呼びます。この時点でコミュニティカードの5枚が全て出揃います。後は、フロップ・ラウンドとターン・ラウンドと全く同じ手順になります。リバー・ラウンド終了時で、フォールドしなかったプレイヤーが、手持ちの2枚をオープンします。ここで、コミュニティカード5枚と手持ちの2枚を組み合わせて一番強い役ができたプレイヤーが勝利します。
テキサスホールデムでは、3回に分けて公開されるコミュニティカードと手元のカード2枚を見て、勝負をするか降りるかを決めるゲームです。テキサスホールデムは、5枚のコミュニティカードと2枚のホールカードの読み合いが大切です。このゲームは、駆け引きが勝負の醍醐味となります。
- オマハポーカー (Omaha Poker)
オマハ ポーカー(または、オマハホールデム)は、テキサスホールデムと基本的なルールは同じです。違いは、各プレイヤーに配られるホールカードは、テキサスホールデムが2枚なのに対して、オマハポーカーは4枚だというところです。オマハポーカーでは、役を成立させるために、4枚のホールカードから2枚のみと5枚のコミュニティカードから3枚を選択しなければならないというルールがあります。手元のカード4枚からは2枚しか選択できないという点に気を付けましょう。
オマハホールデムは、手元のカード4枚は全部使えないとはいえ、手元のカード4枚とコミュニティカード5枚の合計9枚から役を作ることができます。テキサスホールデムは、手元のカード2枚とコミュニティカード5枚で合計7枚のカードから役を作ります。よって、確率としては、オマハポーカーの方がテキサスホールデムよりも強力な役で勝負が決まる可能性が高いと言えます。
最後に
ポーカーフェイスという言葉があるように、 ポーカーをプレーするときは、なるべく相手に自分の表情の変化を見せないようにしましょう。また、ブラフする演技力もあった方がいいかもしれませんね。そして、負けの取り戻しだけに集中しないことが大切です。良い時も悪い時も常に淡々と冷静にプレイし、相手に感情を見抜かれないようにするのが勝利のポイントと言えます。ポジションを意識することもとても大切です。例えば、同じようにコールしても、最初にコールしたプレイヤーと最後にコールしたプレイヤーでは、判断した材料が異なるはずです。プレイヤーのポジションを意識して、相手の行動の理由を考えるようにしましょう。
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