「Made to be different(他とは異なるようにできている)」が、ベラトラ・ゲームズのスローガンだ。同社は、電子娯楽、主にカジノゲームとゲームセンター用ゲーム機の設計および製造を専門としている。ピーッと電子音がしたり、光が点滅したり、散発的に高額のジャックポットが支払われたりするものが、ベラトラ・ゲームズの業務対象だ。
同社のゲーミング端末やオペレーティングシステムは、既存のシステムに統合できるよう、そしてカジノの収益性と集客性を強化するよう設計されている。
20年を超える経験から考えて、ベラトラ・ゲームズは、このカジノのナンセンスに対処するコツをつかんだと言ってもいいだろう。同社の製品は、世界中の土地基盤カジノで、そして広範囲に渡るオンラインカジノで見ることができる。「クレイジー・チェリー」「スパニッシュ・アルマダ」「マヤ・ミステリー」等のゲームは、ボーナス機能と魅力的なテーマ、スマートなグラフィックスをすべて兼ね備えている。
ベラトラ・ゲームズはまた、数あるテーブルゲームのほとんどを抜け目なく網羅し、カジノゲームの提案、デザイン、開発も行っている。
ベラルーシ生まれの企業
東ヨーロッパは才能あるソフトフェア会社を数多く産出することが証明されているが、ベラトラ・ゲームズもその中にある。スターリン時代の建築物で知られるベラルーシの首都、ミンスクを拠点とするベラトラ・ゲームズは、世界中で運営を行っている。ベラルーシの営業所を始め、モスクワ、ウクライナ、アルゼンチン、アメリカにも事業所がある。
同社は新しいゲームのプログラミングを行いながらも、時間を割いて、発売と同時に新作をフェイスブックやYouTubeのアカウントで紹介している。最近の作品には、「アフリカ・ゴールド」「ラッキー・ドリンク」、そして、感嘆符のついた「ザ・ゴースト・ウォークス!」などがある。
彼らの母国語は英語ではないので、著者にとって、ベラトラ・ゲームズの価値観を理解すること(彼らを動かしているものを特定する)のはたやすいことではない。しかし、そのほとんどを探り出すことは可能だ。同社は、プレイヤーやカジノにも同じように魅力的で、どっぷり浸かれるユーザー体験を提供できるゲームの開発に取り組み、そのベンチマークを打ち立てることに誇りを持っている。
創設者でありCEOであるユーリ・ヴォイニッチによる監督と、取締役ミハイル・バルスコフの実践的指導、そしてマーケティング兼財務担当取締役ドミトリ・ベズボロドコによるプロジェクトへの資金調達が、このベラルーシの会社を支えている。
あらゆる人のためのあらゆるゲーム
100を超えるゲームを持つベラトラ・ゲームズは、近年特に多作である。旧ソ連の地域を含むロシア市場が事業範囲の多くを占める一方、南北アメリカも、同社の魅力や、特に一連のカジノゲームに屈しつつある。
ベラトラ・ゲームズは専用のサポートサービスを提供しており、顧客は、援助が必要なときはすぐに電話や電子メールで連絡を取ることができる。
クワドロルーレットやHRルーレット等カジノにはなくてはならない一部のゲームを除き、ベラトラ・ゲームズはほとんどもっぱら、スロットに焦点を当てている。数々のビデオポーカーゲームも発売されているが、テーマおよび審美的見地から考えて、これらは明らかにベラトラの手持ち商品であるスロットから影響を受けている。「モンキー・トリックス」「ペルシャン・ナイツ」「オクトパスズ・エンパイア」は、ベラトラが取り組み、成功したビデオポーカーゲームの代表格である。
土地基盤ゲーミング
土地基盤カジノおよびベッティングショップは、ベラトラ・ゲームズ提供のスロットとテーブルゲームの総合ポートフォリオを利用することができる。ウェブ用に作られたものはすべて、煉瓦とモルタルでできたギャンブリング施設のマシンでも利用できるからだ。こういった事業は一般的に、床面積を最大化して1平方フィート当たりの収入を最大化することを狙っているため、単一コンソールにできるだけたくさんの―少なくともかなり多くの―ゲームを押し込むことを理想としている。
「ビリオネア2」は、ベラトラ・ゲームズが提供するものの好例だ。HDグラフィックスと魅力的なデザインのコンソールには、スロット、ポーカー、ルーレット等、15種類のゲームがセットで内蔵されている。プレイヤーは、多数の有効なラインとサウンド設定など、幅広い変数をセットすることができる。スロットゲームはそれぞれ、2ティアのジャックポットを売り物としている。
ソフトウェアに潜むハードウェア
プレイヤーが絶えず自分たちの興味を引く新しいゲームを要求するように、カジノオペレーターもまた、ハードウェアに着目している。物理的なスロットマシンは定期的に更新を行って、常に変化する好みに対応し、新しいチップセット、アルゴリズム、キャビネットを内蔵させる必要がある。ベラトラ・ゲームズは綿密な検査を行い、ヨーロッパ、南北アメリカの顧客に最新のマシンを販売している。
最新作の「リオ・グランデ」には、斜めになったキャビネットのデザインと、大型の22×27インチのタッチスクリーンが採用されている。タッチスクリーン機能は、タブレットやモバイルで同じようにプレイできる、ベラトラのビデオスロットを模倣している。皮の縁取りとドリンクホルダーで装飾された前面部には、ミニマリストのキーパッドがついている。
ベラトラの主力商品であるルーレットマシンも非常に印象的な作品で、時代を超えた古典的ゲームの美しさを模倣し、その機能性を強化するいくつかの現代的な装飾が加えられている。このユニットが持つ、特にスレンダーなデザインは、床面積の1インチ1インチに依存する、現代カジノのニーズに合わせて作られたものだ。音響効果とアニメーションは、回転するルーレット盤に転がり出る玉のカラカラという心地よい音に至るまで、本物のゲームを忠実に再現している。
バックエンドの美しさ
ベラトラ・ゲームズの専有ソフトウェアであるiPot Systemを使用すると、施設内の様々なゲームマシンをひとつに接続できる。iPot Systemの美点は、カジノのマシンすべてで起こる賞金獲得を計算し、単一のリーダーボードに表示できるところだ。
斬新なジャックポットのリンクや、高額賞金の発生に合わせたシンプルなトラッキングなど、土地基盤カジノに与える価値が繰り返し証明されるほど、iPot Systemは極めて有益なキットなのである。
フルーツの美点
フルーツマシンがどうしてフルーツマシンと呼ばれるようになったのか、ベラトラ・ゲームズには興味深い物語がある。同社のウェブサイトに掲載されている記事によると、初代の原始的なスロットマシンは、1世紀以上前に誕生してすぐに違法となった。この禁止令を回避するため事業主たちは、賞金としてコインではなくチューインガムを配布し始めた。サクランボの列が揃うとチェリーガムがもらえる、といった感じである。その後、スロットは合法化され認可されたが、その名称と圧倒的多数のフルーツシンボルは残ったというわけだ。
現在ベラトラは、フルーツをテーマとしたスロットを数多く生産している。ほとんどのプレイヤーには知られていないが、これは、20世紀初頭に誕生した初代スロットに敬意を表したゲームなのだ。
「フルーツバー」は、同じ型の5リール、50ラインのビデオスロットであり、「クレイジー・チェリー」と「ゴールデン・レモン」はこの名声をそのまま引き継いでいる。しかし、ベラトラ・ゲームズのスロットには、多くのイノベーションが見られる。
例えば、アメリカの100ドル紙幣「ベンジャミン」をモデルにした、5リールのスロット「マネーマニア」を試してみるといい。故人である前大統領はそのままだが、このゲームは、アメリカの紙幣の裏に潜み、目に見えない糸を引いて我々皆を支配しようとする啓蒙主義者に頷いたり、ウィンクをしてみせたりする。
「エアメール」は郵便をテーマとしたゲームであり、きれいでカッコいいアニメーションをあしらった2段階のボーナスゲームを売り物にしているのに対し、「ファミリー・スキャンダル」は、テレビのメロドラマが大好きなラテンアメリカ市場に向けて作られたようである。鮮やかな色彩と実際よりも大きめのキャラクターが、フリースピンをトリガーする電話のシンボルと、追加ゲームができるディナー皿のシンボルで引き立てられている。驚くことではないが、このゲームはスペイン語で提供されている。
ベラトラ基盤
ベラトラ・ゲームズは、ソフトウェアとハードウェアの両方を考案するゲーミング会社という点で、他とは異なっている。多くの伝統的カジノが、物理的な世界からデジタルの世界への推移を模索している一方、BGは、その両方にサービスを提供し、ヨーロッパと南北アメリカ中のカジノのニーズに、巧みに応じている。
優れたゲームは創造性と地域的バリエーションを併せ持ち、卓越したカスタマサービスでは、どこの顧客であっても、そのニーズに迅速に対応できる。すべてがベラルーシを基盤とし、すべてがベラトラを基盤としている。