和歌山県は近く住民に対し、開発が予定されている統合型リゾート(IR)の詳細を説明する。公聴会は11月25日から12月4日までの間、14ヶ所で開催される。
この新規プロジェクトのリゾートは、和歌山市の周辺地区に位置するマリーナシティに建設される予定。
公聴会は和歌山市内7ヶ所を含む県内全14ヶ所で予定されており、当日は、同開発計画の概要の説明が行われる。国会に提出する同県のIR提案には、質疑応答が含まれることになっている。
一番乗りとなった和歌山県
和歌山県は6月、和歌山マリーナシティで予定されているIR開発のパートナーとして、クレアベストニームベンチャーズ社を選定している。両者間の協定は8月に締結された。
和歌山県はその時点で、計画をほぼ完全に整えた最初のIRライセンス候補者となっている。しかしその1か月後、カジノオペレーターとしてシーザーズエンターテイメント社が参加すると発表されると、プロジェクトはさらに勢いを増した。
クレアベスト社と和歌山県は、今月末までに開発計画を策定し、その後国会に提出することにしている。日本のIR開発第1期では、最大3件のライセンスが発行される。しかし、3つのプロジェクトのすべて、もしくはその1つでも承認が受けられるという保証はない。
同国は現在、コロナウィルスに関する規制を緩和している最中であり、観光業界再生の新企画を検討している。しかし、IRには景気に拍車をかける可能性があるにもかかわらず、国内でカジノゲーミングを許可するという考えには厳しい批判が起こっている。一部の政治家がゲーミングオペレーターからの収賄で有罪とされ、カジノ自由化が犯罪活動を助長するという意見の裏付けとなったことも不利な要因となった。
日本のIR計画は、今のところ安泰
菅義偉前首相は9月、再選を目指さないことを発表した。これにより、議員が入れ替わると、国内にカジノを導入しようとする20年にもわたる政府の取り組みが取消になるかもしれないという懸念が生じた。
自由民主党(自民党)は選挙が行われるまでの後任として岸田文雄氏を任命したが、これは、IR支持者に支援拡大の猶予を与えることとなった。
岸田氏または自民党が選挙後にも勢力を維持できるという保証はない。しかし、首相の座についてわずか10日後に衆議院を解散した岸田氏は、これにより戦略的であるが危険な強みを手中に収めた。
この時岸田氏は、「国民の信任を背景に、信頼と共感の政治を動かして行きたかったため、できるだけ早期に総選挙を実施することにした」と語っている。
衆議院選挙は先週の日曜日に実施され、公式の集計結果により、自民党が国会の主導権を維持してゆくこととなった。公明党との連立政権を継続する自民党は無事にその座に収まり、今後も同国のIR計画を推進してゆく。
これにより、和歌山と同様、大阪と長崎も、自らのIRプロジェクトを継続して推進できることとなった。当初2年前は6を超える府県が興味を示していたが、現在ライセンス獲得の準備を進めているのは、この3府県のみである。次のステップでは、各府県がそれぞれの計画を来春までに国会に提出する。最終選考は、もし実施されればの話だが、夏までに行われることになっている。